妖怪大陸百奇伝 -さらわれた娘-(フリー台本/5~6人用)

『妖怪大陸百奇伝 -さらわれた娘-』は、長さ20〜25分ほどの【朗読・声劇用のフリー台本】です。

ストーリーを一言で言うと、ドラキュラが中国の妖怪を退治する話です。

登場人物は5人です。

○ドラキュラ
○一休さん
○蜂の妖怪
○蛇の妖怪
○観音様

台本の利用に際して、作者・柳原路耀(ヤナギハラロック)に許可を求めたり、脚本料を支払う必要はありません。

※ページ下に簡単な[利用規約]がありますので、併せてご確認ください。

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妖怪大陸百奇伝 -さらわれた娘-

脚本/柳原路耀(ヤナギハラロック)

登場人物
ドラガン・バイン 99才。ルーマニア出身。ドラキュラ一族の末裔・見た目は30歳
一休宗純(いっきゅうそうじゅん) 13才。修行中の僧侶
パオニャン 23才の村の娘。本当は数百歳の蛇の妖怪
毒屯長(どくとんちょう) 300才。蜂の妖怪
観音様

語り部分は、一休宗純の担当として書かれています。
[前口上]および[納め口上]の読み手は、特に指定はありません。

[カッコ内]は、状況および登場人物の感情を表しています。


******以下、本文******

[前口上]

西の海を渡った先には大陸があります。そこは、人間の他に妖怪たちがたくさん住んでいます。遠い昔に妖怪たちが大暴れしたとき、観音様は孫悟空を使わして混乱を収めました。それから千年が経ち、再び妖怪たちが暴れています。観音様は、今度の妖怪退治を西洋から来たドラキュラに頼みました。さてさて今日は、さらわれた村の娘を助けるため、ドラキュラがどんな活躍をしたか、一つお話ししてさし上げましょう。



一休   先生、招かれてもいないのに入って大丈夫ですか?
ドラガン 私に恐れるものはない。
一休   肉を頬張り、酒をあおっていた手下どもが、こっちに気づきましたよ。
ドラガン 邪魔するものは容赦しない。
語り   村のはずれに、チンギスハンの時代に建てられた古い砦があり、そこにならず者たちが住み着いていた。がたいの大きい男が一人、私たちの行く手を塞いで何か言いかけた。先生は問答無用でそいつを張り倒した。周りにいた男たちもいきり立って挑んできたけど、先生はことごとく張り倒し、マントをひるがえして砦の奥へと進んでいく。そこには鉄格子の檻があって、若い女が閉じ込められていた。
ドラガン 怖がらせて申し訳ない。
一休   娘さん、顔を上げてください。助けにきましたよ。
パオニャ あいや、あなたたちは何者ですか?
一休   拙僧(せっそう)は一休宗純(いっきゅうそうじゅん)と申します。遙か東の国から来た僧侶です。こちらのお方は・・・

[一休、ドラガンの様子が変なのに気づく]

一休   先生、どうかしました?
ドラガン なんという美しい人だ・・・
一休   うん、だから妖怪にさらわれたんです。
パオニャ 毒屯長にさからってはいけません。逃げてください。
ドラガン 美しい・・・
一休   見とれている場合じゃないですよ。早く出してあげましょう。
毒屯長  俺の結婚に水を差すやつは誰だ!
一休   ほら、砦の主(あるじ)が出てきちゃいましたよ。
ドラガン 人の姿をしているが、こいつが村人を苦しめている蛇の妖怪か。
毒屯長  そう言うお前は何者だ。
ドラガン 私の名前はドラガン・バイン。悪を見過ごせぬ男だ。
一休   先生は、ドラキュラ一族の末裔ですよ。
毒屯長  なるほど。貴様も妖怪か。妖怪同士仲よくすりゃあいいじゃないか。
ドラガン なに? 私をもう一度妖怪呼ばわりしてみろ。懲らしめるだけじゃすまないぞ。

[毒屯長、あざ笑う]

毒屯長  青白い顔にその口からはみ出した牙、まるっきり妖怪じゃないか。
ドラガン なんだと。
一休   先生、冷静に。
ドラガン わかっている。相手の正体は蛇の妖怪だ。巻き付かれるような隙を、与えはしない。
毒屯長  誰が蛇だって? 俺の毒針を見て腰を抜かすなよ。うん! うん! ふん!
一休   やや! 天井のあんな高いところまで飛び上がりましたよ!
ドラガン なんだあれは!
一休   大きな羽を生やしてブンブン唸って飛んでる! あいつは蜂の妖怪だ。あのぶっとい針に刺されたら仏になっちゃうよ。
ドラガン 仏になってたまるか。私が最後を迎えるとしたら十字架だ。
一休   そんなこと言ってないで、用心してください! すごい早さで飛び回ってますよ!
ドラガン それより、屋根の隙間から太陽が。目が焼けるようだ。
一休   先生! 気をつけて! 来ますよ!
毒屯長  食らえ! 毒屯長の毒針だ!
ドラガン どこから来る! どこだ!
一休   危ない!
毒屯長  ふん!
ドラガン うう! やられた!
毒屯長  どうだ! 毒針の味は!
一休   あ~! 先生~!
毒屯長  さあ! トドメだ!
パオニャ 毒屯長様、お待ちください。
毒屯長  ん? パオニャン、なんだ。
パオニャ その方の命を取らないで。
毒屯長  何を言う。
パオニャ 聞いてもらえないなら、私は舌を噛んで死にます。
毒屯長  やめろパオニャン。
パオニャ でしたら。

[毒屯長、悩む]

毒屯長  わかった、愛しいパオニャン。どうせ毒が回って死ぬだろうぜ。ほら、めでたい席の邪魔だ。うせろ。
一休   先生、肩につかまってください!
ドラガン うう・・・やられた。



語り   私は先生を支えて、川沿いの洞穴(ほらあな)にやってきた。昼でも光が届かず空気がひんやりしている。ここなら先生が落ち着ける。
一休   柔らかいベッドというわけにはいきませんが、横になってください。
ドラガン 胸が・・・苦しい・・・
一休   あらら、針で刺された痕が、ぽっかり穴になっちゃってます。
ドラガン 毒が・・・血が汚(けが)れた・・・
一休   南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)、南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)、えーっと、傷を塞ぐ念仏は・・・毒を抜く念仏は・・・
語り   背中から経典を下ろしていくつも開いてみたけれど、治療する方法が見つからない。
ドラガン 一休・・・これまでのようだ。私は人間になりたかった男だ・・・墓にドラキュラと刻まないでくれ・・・
一休   そんなぁ、先生~、私は西洋の弔いには詳しくないんです。当てにしないでください。
語り   と、そのとき紫色の光をまとった霧が洞穴(ほらあな)に流れ込んできた。
一休   この有り難い兆しは、もしや観音様では!
語り   霧で姿は見えないながら、岩壁(いわかべ)に声が響き渡る。
観音   一休よ、経典は背負っているだけでは何にもなりません。真面目に学びなさい。
一休   恐れ入ります。観音様。
観音   あなたは、返事だけはいいのです。
一休   お恥ずかしい限りです。
観音   ドラガン、傷は私が癒やしてあげましょう。これに懲りず、妖怪退治を続けなさい。大陸に善をもたらすには、あなたの力が必要です。
語り   紫色の霧が優しく光って先生を包み込んだ。それから洞穴(ほらあな)の外へと流れて消えていく。
ドラガン 観音殿! 待ってくれ!
一休   先生、起き上がれるのですね!
ドラガン あと幾つ正しい行いをすれば、人間になれるのか!
一休   動いて大丈夫ですか!? 待ってください!
ドラガン ああ、すでに陽が暮れて、一番星が出ている。川から冷たい風が吹いている。
一休   もうすっかり治ったんですね!
ドラガン う・・・[と苦しそう]
一休   大丈夫ですか!? さすが観音様と思ったのに。
ドラガン 穴のせいだ。
一休   ほんとだ! 傷が塞がってませんよ!
ドラガン これはずっと前から、空いている。
一休   誰に付けられた傷ですか!?
ドラガン 誰でもない。心に空いた穴だ。
一休   でもそこって、もしかして、心臓があるべきところじゃ。
ドラガン 私はもう一つ心臓を持ってるからいいんだ。しかしこの穴のせいで、血が欲しくてたまらなくなる。
一休   私に噛みついたりしないでくださいよぉ?
ドラガン もちろん我慢する。私は人間になるのだ。
一休   観音様はケチです。先に願いを叶えてくれればいいのに。
ドラガン 私の修行が足りないのだ。
一休   先生は素直ですね。
ドラガン 一休は観音殿を信じていないのか?
一休   うーんと、そうですねぇ。[悩む]あ、川面(かわも)で何か動きませんでした?
ドラガン はぐらかすな。
一休   ほら、ほら。
パオニャ こちらにおいででしたか。
一休   あなたは、囚われていたパオニャン! どうやって檻から逃げてきたんですか!?

[パオニャン、小声で]
パオニャ 細長くなって。
一休   え、なんて?
パオニャ それより、私を救おうとなさらないで。
一休   あなたが無事なら解決です。村までお送りしますよ。
パオニャ 私は毒屯長のもとへ戻らなくてはいけません。
一休   どうして?
パオニャ 私が結婚すれば、村人を苦しめないと、毒屯長は約束しました。
一休   犠牲になるつもりですか?

[パオニャン、小声で]
パオニャ 隙を見て、絞め殺すつもりです。
一休   え? 今なんて?
パオニャ とにかく、命を大切になさってください。
一休   あ! 戻るなんて正気ですか? それに、もうすぐ真っ暗になりますよ! パオニャンが行ってしまいます! 先生、何をボーッとしてるんですか!
ドラガン 美しい・・・
一休   はあ? もしかして、あの人の血を吸いたくてたまらなくなってるんじゃないですか?
ドラガン バカを言うな。人間として振る舞うと決めている。若く美しい女の首に噛みついて香り立つような血を吸ったりはしない。
一休   先生、親に見せられない顔になってますよ。
ドラガン か、顔?
一休   追いかけて行って、ちょっとだけ吸わせてもらえばいいじゃないですか。そうすれば力もみなぎって、蜂の妖怪だって一発で倒せるんじゃないですか。
ドラガン やめろ! 我慢できなくなる。
一休   じゃあ、妖怪は放っておきますか? 毒屯長は危なすぎます。
ドラガン だめだ。パオニャンを救わなくては。

[一休、妖怪台帳を開いて]
一休   もともと妖怪台帳には、蛇の妖怪がいると書いてあるんです。蜂の妖怪は載ってませんよ。
ドラガン 観音殿の弟子としてそれでいいのか?
一休   先生は真面目ですね。
ドラガン パオニャンが、憐れとは思わないのか。
一休   あの人なんだかおかしな感じがします。
ドラガン あの美しいパオニャンがおかしいだって?
一休   美しさと心は違いますよ。
ドラガン あれほど人間らしい人間はいない。
一休   あれ、ずいぶん持ち上げますね。
ドラガン 何が言いたい。
一休   悪い癖で、また恋に落ちたんじゃないですか?
ドラガン やめろ! そんなことを言うと吸いたい気持ちが抑えられなくなる。

[一休、好奇に満ちた言い方で]
一休   へぇー! 先生にとって好きと吸いたいは、一緒なんだすねぇ!
ドラガン やめろ! それ以上言うな!



語り   砦はかがり火が焚かれていて明るかった。呑めや歌えの宴会は、いまだに続いていた。村の若者が一人だけやってきて、パオニャンを返せと訴えた。ならず者たちは相当に酔っ払っていたけど、若者一人では立ち向かえず、袋だたきになっていた。先生はそこに分け入り悪い奴らを張り倒して、若者を助けてやった。ならず者たちが大人しくなったところで、檻の前へ向かった。
ドラガン もう辛い思いはさせない。
パオニャ 構わないでと言ったのに。
毒屯長  騒がしいと思えば、死んでなかったのか。
一休   今度は気をつけてください。ほら、毒屯長が羽を生やして飛び上がりましたよ!
ドラガン 太陽に邪魔される心配はない。奴に私の拳をお見舞いしてやる。
パオニャ 毒の滴(しずく)に気をつけて。村の若者が何人も命を落としました。
毒屯長  これでも食らえ!
一休   あ! お尻の針から何か飛び出しましたよ! よけてください!

[ちょっとした間]

ドラガン う、なんだこのヌルッとしたものは・・・痛い! 焼けるようだ!
一休   よけてって言ったのに~

[毒屯長、あざ笑う]
毒屯長  相手にならん。トドメだ! 毒針を食らえ!
一休   あ! 観音様が来てくれましたよ!
毒屯長  なに! 観音?
一休   うっそ~、お前なんかこの私で充分だ。妖怪台帳に弱点が書いてあるんだから。
毒屯長  デタラメを~、弱点などない!
一休   だったら、自分で読んで見ろ、ほ~らよっと。

[つまり、一休が妖怪台帳を投げたということ]

毒屯長  おっと。

[つまり、毒屯長が妖怪台帳を受け取ったということ]

毒屯長  ん、どこに書いてある?
一休   先生、大丈夫ですか!?
ドラガン 力が出ない・・・
パオニャ もし、ドラキュラ様。私の血を吸ってください。
一休   あれ! パオニャン! どうやって檻から出てきたんですか?
パオニャ そんなことより、血を吸って毒屯長を倒してください。さあ。
ドラガン なんと美しいうなじだ・・・いや、だめだ! 吸わないと決めている!
パオニャ 村のみんなのためです。
ドラガン かぐわしい・・・いや、だめだ!
毒屯長  どこに書いてある。俺の名前すらないぞ。
一休   私のおしゃべりも限界です! 先生!
ドラガン だめだ!
一休   その人もいいと言ってます。一口だけ吸っちゃってください!
ドラガン やめろ! そそのかすな!
パオニャ どうぞ、どうぞ。
ドラガン そこまで言われたら・・・堪(た)えられそうにない・・・本当にいいのか。
パオニャ どうぞ。
ドラガン ひ、一口だけなら。ハムッ! チュー!※
一休   先生! 一口だけって! あ! そんなに!
ドラガン チュー! チュー! ぷはーっ!
パオニャ あいや~、もう・・・だめ・・・[と気絶する]
毒屯長  おい! デタラメ言いやがって! 坊主!
一休   へへーん、気づくのが遅い!
ドラガン 私の名前はドラガン・バイン。血を吸えば無敵の男だ。
毒屯長  なにが無敵だ! 毒の滴(しずく)を食らえ!
ドラガン ふん! マントにシミすら付けられないぞ。
毒屯   なにぃ! 毒屯長の毒針で穴だらけにしてやる! そら!
ドラガン こんなものがなんだ。
毒屯長  は、離せ!

[※必殺技ポンは『拳(こぶし)』の意]
ドラガン ドラガン~、ポン!!
毒屯長  あイタ! 俺の針が!
語り   毒針が根本(ねもと)から折れて地面に落ちた。

[毒屯長、悲しげに]
毒屯長  覚えてろよ~
語り   毒屯長は、それを拾って飛び去っていく。カシラを失ったならず者たちも、我先に砦から逃げていった。
一休   いやぁ、先生はやっぱり強いですね。
ドラガン いっぱい・・・吸ってしまった。
一休   あらら? もしかしてパオニャンを殺してしまいました?
ドラガン やってしまったか。
パオニャ う・・・うん・・・

[パオニャン、起きる]

パオニャ 私は大丈夫。か弱い人間ではありませんから。
一休   あれれ? ほそ~く・・・なが~く。
パオニャ この姿になれば、檻に入ったり出たりできます。
一休   蛇の妖怪はあなたか!
パオニャ 隙をついて毒屯長を絞め殺そうと思っていましたが、ドラキュラ様のお陰で助かりました。
ドラガン 助かったのは私の方だ。こんなに満たされたのは久しぶりだ。
一休   ときどき吸わせてもらったらどうですか? 胸の穴が塞がるかもしれませんよ。
ドラガン それはだめだ。私は人間になるんだ。
一休   吸いたいけど、吸っちゃいけない。複雑ですねぇ。
パオニャ もう一つお礼を言わせてください。夫を助けていただいて、ありがとうございました。
一休   助ける・・・?
語り   パオニャンは体をくねらせて、倒れている若者のそばへ行った。そしてこちらを向くと、二股に分かれた舌をチロチロと出した。
パオニャ お願いがあります。この人が目を覚ましても、私が蛇だと言わないでください。
語り   パオニャンは美しい女の姿に戻ってから若者を助け起こした。若者はパオニャンを見て、涙を流して喜んだ。二人はきつく抱きしめ合い、寄り添うようにして去っていく。
一休   先生が助けたのは・・・
ドラガン 夫か・・・
一休   あ、パオニャンを退治しなきゃ!
ドラガン なぜ?
一休   人間を騙しているんですよ。
ドラガン 愛があるなら、悪とは言い切れない。
一休   私たちに、秘密を押しつけていったんですよ。迷惑な話です。
ドラガン 夫を傷つけたくないんだろう。
一休   先生は傷ついたんじゃないですか?
ドラガン 私が?
一休   パオニャンに、愛しい人がいたんですから。
ドラガン うむ・・・胸の穴に、風が吹いている・・・
一休   また吸いたくなってきちゃいました?
ドラガン 言うな。本当に吸いたくなる。
語り   そこへ、紫色の霧が流れてきて、声が聞こえた。
観音   ご苦労でした、ドラガン。
ドラガン 観音殿、私は自分の弱さに負けて・・・
一休   蛇の血を吸ったぐらい、言わなくていいんじゃないですか?
観音   どうしました? ドラガン。
ドラガン 私はまた誓いを破ってしまった。
観音   そうですか。その正直さを忘れずに、正しい行いを続けなさい。
一休   妖怪台帳・・・拾ってくるのでちょっと待っててくださいね!

[一休が、台帳をめくりつつ]
一休   えーっと、この台帳、まだかなりありますけど、全部退治しなきゃいけないんですか?

[ちょっとした間]

一休   あれ、返事がない。紫色の霧も消えてる。まったく人に苦労させといてこれだから。
ドラガン 道は我々で探せということだろう。
一休   先生はホント生真面目ですね!
ドラガン 一休がどうしてそう不真面目でいられるか、私にはわからない。
一休   そうですか? 私にわからないのは、恋ですね。人を好きとか嫌いとか。ましてや吸いたいとか。
ドラガン 私をからかうつもりか。

[一休が、ドラガンを真似て言う]
一休   血を吸えば無敵の男だ。
ドラガン 一休!
一休   親に見せられない顔してましたよ。
ドラガン それ以上言ったら!

[納め口上]

さてさて、英俊豪傑(えいしゅんごうけつ)とまではいかないドラガンですが、毒屯長を懲らしめて、ならず者たちを追い払うことができました。パオニャンと夫が帰っていった村では、平和が戻り、みな大喜びしています。救ってくれたドラキュラ様にお礼がしたい、そう思っても、ドラガンはすでに歩き出しています。こうして百の妖怪、千の妖怪を退治してゆくことになるのですが、この先いったいどんな苦難が待ち受けているのでしょうか。またいつか、この話の続きをいたしましょう。

(了)





※ドラガンが血を吸う音「チュー」は、演者様のやりやすい形で表現してください。
※「ポン(pumn)」はルーマニア語で「拳」という意味があります。

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[利用規約]

1.利用に際して、作者・柳原路耀や《朗読らいおん》に許可を求める必要はありません。

2.利用の際に、文字や口頭などなんらかの形で作者が柳原路耀(ヤナギハラロック)であることを明示してください。

3.非商業利用、商業利用に関わらず利用できます。

4.この台本をアニメ化、映画化するなど、声劇・朗読の枠を超えた利用をしたいという場合についてはご相談ください。キャラクターを描いて静止画を付加する程度でしたら、ご連絡の必要はありません。

5.著作権は柳原路耀に帰属します。

6.二次配布は禁止します。


(2022年1月30日更新)

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