――今日は、らいおんくんが弟のカブに朗読を披露しているようです。
らいおんくん:「市民農園を借りて本当によかった。そのことを噛みしめていた。」……おわりガオ。
カブ:パチパチパチ!!クヮォ〜♪お兄ちゃん、朗読って楽しいねぇ!
うーん……朗読って、難しいがぉ。
えっ、どうしたの?
だって、読めば読むほど、気になる事がいっぱい出てくるがぉ。
例えば?
そうがぉねぇ……長い文を読んでると噛んだりつっかえちゃったりするし、こんがらがって文章の意味がわかんなくなっちゃったりするがぉ。それに、鼻濁音や無声音、アクセントも気になるがぉ〜!
悩みが出てくるってことは、それだけ本気で楽しんでるってことだよ。でも、いくら悩んでも解決しないと、楽しくないよね。
そうなんだがぉ……どうしたらいいがぉ〜。
それじゃあ今回は、朗読らいおんホームページにコラムを寄稿してくださった渡辺知明さんの論文『日本語アクセントの転換-2音ないし3音区切りの原理-』から、お兄ちゃんのお悩みを解決するヒントをもらっちゃおう。
①【早口言葉で試してみよう!2音3音区切りと母音の浅深】
お兄ちゃんは、朗読していて何が一番気になる?
うーん、悩みはいっぱいあるけど、やっぱり噛んだりつっかえたりすると、かっこ悪いかなって思うがぉ。
うんうん、滑舌はみんな気になるよね。お兄ちゃん、「隣の客はよく柿喰う客だ」って早口言葉言ってみて。
となりのきゃきゅやよくきゃききゅうかくだっ!
……。
……むずかしいがぉ。
今度は2音または3音に区切って読んでみようか。
⬇こんな感じ!
とな/りの/きゃくは/よく/かき/くう/きゃくだ
『日本語アクセントの転換-2音ないし3音区切りの原理-』著:渡辺知明
ら:あれ?言いやすいかも。自然と体が動くがぉ?
2音3音に区切るとリズムがつくんだね。身体がリズムに合わせて緊張したり緩んだりして、起伏ができやすくなるんだよ。
2音ないし3音に区切るだけでも、ずいぶん発音がしやすくなります。というのは、2音ないし3音にまとめて区切ることによって、一節ごとに深浅の変化がつくからです。
『日本語アクセントの転換-2音ないし3音区切りの原理-』著:渡辺知明
(中略)
声のリズムというのは、聞き手には強弱として聞こえますが、発声者にとっては、緊張と弛緩の交代です。
ふか、あさ?ってなに?
渡辺さんは母音を、息の深い緊張した「深母音」と、息が浅くゆるい「浅母音」の二種類に区別しているんだよ。この二つの母音を組み合わせて使いこなすことで、リズムの取れた発声ができるんだって。
と(ナ)/り(の)/きゃく(は)//(ヨ)く//か(キ)/クう/きゃく(ダ)
『日本語アクセントの転換-2音ないし3音区切りの原理-』著:渡辺知明
()の音は深母音です。からだが緊張して沈む声になります。発音をしながらからだの浮き沈みで、リズムとタイミングが取れます。()で緊張をするので、次の音(おん)では力が抜きやすくなります。
滑舌って口の中の動きだけの話だと思っていたけど、からだ全体で使いこなすものなんだね!
滑舌だけじゃなく、無声音や鼻濁音も母音の深浅を使いこなすことでコントロールできるんだって。
さらに、2音ないし3音区切りで考えることによって、文の組み立てや文と文とのつながりの音声原理まで解明できます。そして、ことばを語ったり、話したりするときの原理として実践の力を持つのです。
『日本語アクセントの転換-2音ないし3音区切りの原理-』著:渡辺知明
そんなに!?おトクだがぉ〜!
詳しい内容は是非、『日本語アクセントの転換-2音3音区切りの原理-』を読んでみてね。深浅アクセントの発声練習や、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」冒頭を例にしたアクセント分析も載っているよ。
購入の申し込みはメールで受け付けしてるよ!
宛先:渡辺知明
mail:w-tomo@tokyo.email.ne.jp
件名:「『日本語アクセントの転換』希望」
本文:「氏名、郵便番号、住所、電話番号」
上記を記載して送ってね!
(代金(2,000円)は同封の振替口座にお支払いください。)
もっと知りたいがぉ〜!
【次の記事へ続く】
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ところで、カブはいっぱい勉強してるがぉね?
クヮォ~……実はボク、まだお兄ちゃんみたいにカッコよく朗読できないから、基礎を勉強したり練習したりしてるんだ。
どんな風に勉強してるがぉ?
ボクはこの本で勉強してるよ!
発声の基本から表現の実践までが詰まった『朗読の教科書』!今回紹介した本を書いている渡辺知明さんの著作だよ。初心者から経験者・朗読教室の先生にも役立つお話がいっぱいだよ。
ボクも読んでみるがぉ!カブの朗読も、いつか聞かせてね!
クヮォ~!頑張るよ!