日本語のリズムを乗りこなそう!『日本語アクセントの転換-2音ないし3音区切りの原理-』ブックレビュー②

――朗読を頑張るらいおんくん。頑張れば頑張るほど、悩みは尽きないようです。

前回のお話はコチラ

カブ:悩みが出てくるってことは、それだけ本気で楽しんでるってことだよ。でも、いくら悩んでも解決しないと、楽しくないよね。

らいおんくん:そうなんだがぉ……どうしたらいいがぉ〜。

今回も渡辺知明さんの論文『日本語アクセントの転換-2音ないし3音区切りの原理-』から、お兄ちゃんのお悩みを解決するヒントをもらっちゃおう。

渡辺知明さんによるコラムはコチラ

②【アクセントって何だろう?「伝達」と「表現」】

お兄ちゃん、他にも朗読についての悩みがあるって言ってたよね?

うん、アクセントが気になっちゃうんだけど、辞典で単語だけ調べても分かんないこといっぱいあるがぉ。

うんうん、言葉の数だけアクセントがあって、しかも文の中で変化するから、全部を調べようとするとキリがないよね。

載ってない言葉もいっぱいあるがぉ。

ところでお兄ちゃん、アクセントって何だと思う?

それはさすがに分かるがぉ。高くなったり低くなったりするとこだよね。

うんうん、一般に採用されている日本語のアクセントは「高低アクセント」だね。渡辺さんの考えを見てみよう。

これまでのアクセントを「伝達アクセント」、新たなアクセントを「表現アクセント」と名付けました。

『日本語アクセントの転換-2音ないし3音区切りの原理-』著:渡辺知明

アクセントが2つあるがぉ!?

それぞれどんなものなのかな?

「伝達アクセント」とは、「高低アクセント」のことです。伝達手段としてのアクセントです。それは、聞く人が区別する目印となるアクセントです。

『日本語アクセントの転換-2音ないし3音区切りの原理-』著:渡辺知明

お兄ちゃんが辞書で調べている「高低アクセント」を「伝達アクセント」と定義してるんだね。これは、聞く側の人がその単語の意味を区別するためのアクセントだよ。

「箸」と「橋」と「端」……「柿」と「牡蠣」みたいな?

そうだね、これは聴く人が正しくお話を理解するためには必要な区別だとボクは思うよ。ただ、読み手にとって一番大事なのは「伝達」ではなく「表現」、というのがこの論文のテーマなんだ。

んー、結局「表現アクセント」って何だがぉ?今だってアクセントがいっぱいありすぎて混乱してるのに……これ以上増えたら、ボク覚えられる自信がないよ〜!

お兄ちゃん、落ち着いて!覚えることが増えるわけじゃないよ。

そもそも表現とは何なのかというと、表現者が表の対象へエネルギーを投入することです。
(中略)
つまり、ことばの表現においては、力の入れどころがアクセントということになります。その力の入れどころと抜きどころが、強弱のリズムを生み出すわけです。そうして、強と弱との落差によって、表現の立体化、奥行の表現、作品の躍動感が表現されるのです。

『日本語アクセントの転換-2音ないし3音区切りの原理-』著:渡辺知明

なるほど!つまり……どういうことがぉ?

朗読していて、ここに心をこめたい!って思うと力が入るはずだよね?

うん。

力を入れると?

お腹がギュッとなるがぉね。ギュッと緊張するってことは……強くなる?

そう!その強くなるところが「表現アクセント」ってこと。力を入れたり抜いたりするとリズムが取れるっていうのは、前回も出てきたお話だね。

力を入れたり抜いたり……?そうか!それが前回2音3音に区切って、体を浮き沈みさせながら練習した「深母音」と「浅母音」だね!

お兄ちゃん、冴えてるぅ!

それで?表現アクセントはどうつければいいがぉ?

うん!それはね……

ごくり……

それは『日本語アクセントの転換-2音3音区切りの原理-』を読んでみてね。芥川龍之介の「蜘蛛の糸」冒頭を例にしたアクセント分析も載ってるよ!

購入の申し込みはメールで受け付けしてるよ!
宛先:渡辺知明
mail:w-tomo@tokyo.email.ne.jp
件名:「『日本語アクセントの転換』希望」
本文:「氏名、郵便番号、住所、電話番号」
上記を記載して送ってね!
(代金(2,000円)は同封の振替口座にお支払いください。)

知りたいがぉ〜!!

+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-

ところで、カブはいっぱい勉強してるがぉね?

クヮォ~……実はボク、まだお兄ちゃんみたいにカッコよく朗読できないから、基礎を勉強したり練習したりしてるんだ。

どんな風に勉強してるがぉ?

ボクはこの本で勉強してるよ!

『朗読の教科書』著:渡辺知明

発声の基本から表現の実践までが詰まった『朗読の教科書』!今回紹介した本を書いている渡辺知明さんの著作だよ。初心者から経験者・朗読教室の先生にも役立つお話がいっぱいだよ。

ボクも読んでみるがぉ!カブの朗読も、いつか聞かせてね!

クヮォ~!頑張るよ!

最新情報をチェックしよう!